早速の高徳効果か-。ヴィッセル神戸が浦和レッズに3-0と快勝し6試合ぶりの勝ち点3、今期3度目完封勝ちを飾った。

ドイツ2部ハンブルガーSVから加入した元日本日本代表MF酒井高徳(28)が、いきなり先発出場。両ふくらはぎがつる奮闘で勝利に貢献した。

攻撃もFW古橋が2戦連発、MF山口蛍は移籍後初ゴール、そしてイニエスタのPK弾と次々に祝砲を上げた。

後半33分、神戸サポーターから歓迎とありがとうの拍手がわき起こった。ベンチに下がる酒井に向けて。「楽しかったです。出来はよくないと思ったけど、(拍手で)迎えられた。コンディションが上がってくればもっと認められるようになる」。慣れない日本の酷暑で両足がつっての交代。それでも3-0の結果が、持てる能力を示した。

強行日程だった。13日に帰国し、練習合流も2日程度。それでもドイツで8年間、培った経験値はさすが。イニエスタも「素晴らしい選手。欧州も日本のサッカーもよく知っているし、チームにポジティブなものをもたらす」と絶賛した。

神戸の39失点はリーグワースト2位タイ。課題の守備に光をともした。「攻撃のポテンシャルは高い。守備を統率して安定させれば勝てるチームになる」。神戸が新戦力の追い風を受けて前進した。【実藤健一】