山形が敵地での打ち合いを制し、13戦無敗の首位柏を止めた。相手に主導権を握られながらもMF中村駿(25)が“全ゴール”に絡む活躍を見せ、4-3で勝ち点3をつかんだ。5戦無敗で暫定3位に浮上した。

中村の正確な右足が山形をけん引した。前半10分、FKから大外にいたFW山岸の頭にピンポイントで合わせ、先制ゴールを演出。さらに10分後、FKから高精度のボールを供給した。中のDF熊本が打点の高いヘッドを枠に飛ばすと、GKがはじいたこぼれ球にFW大槻が反応し追加点。中村は「セットプレーから点が取れてなかったので、キッカーとして責任を感じていた。中とタイミングが合い、いいところにボールが落とせた」と振り返る。

今度は中村自ら決めた。後半13分、MF山田が頭で落とし、そのボールを拾った中村がゴール前で山岸とワンツー。リターンパスをもらい丁寧に流し込んだ。「ボールを預けたら、いい落としがきたので流すだけだった。流れが良かった」。同22分にはFW坂元が直接FKから4点目。隣にいた中村が「ニアに速いボールを蹴れば入る」と声で“アシスト”し、決勝ゴールにつなげた。木山監督は「柏に勝つには少しの隙を突かないといけない。セットプレーは狙ったとおりのプレーを出せた」と話した。

6月のホーム柏戦は0-1の敗戦。圧巻の4発で前半戦のリベンジに成功した。次戦は15日にアウェー鹿児島戦。着実に勝ち点を積み重ね、首位の背中を追いかける。【山田愛斗】