J1湘南ベルマーレの浮嶋敏監督(52)が、開催中のU-17ワールドカップ(W杯)ブラジル大会での教え子たちの奮闘も背に、先月10日の就任後の初勝利を誓った。

チームは1日、神奈川県内で3日のガンバ大阪戦へ向けて約2時間調整した。曹貴裁前監督が選手らへのパワハラ行為で退任後、バトンを受け継いで約3週間が経った。就任直後に迎えた19日の横浜F・マリノス戦(1●3)を含め、ここまで7戦未勝利で順位もJ2との入れ替え戦にまわる16位へ後退。それでも天皇杯やACLなどでリーグ戦は約2週間のブレイクがあり「ベルマーレにとってはラッキーだった」と戦術の落とし込みのほか「メンタル面でみんながまとまること」に力を注いできた。

残り5試合で意地の残留へ、若い選手たちの活躍にも刺激を受ける。今季はトップチームの監督に就任するまではクラブのアカデミーダイレクターとU-18監督を兼務していた。U-17W杯ブラジル大会では、U-17日本代表の一員として教え子だった同U-18のMF田中聡と横川旦陽(あさひ)のほか、来季加入が内定しているFW若月大和(桐生一)とDF畑大雅(市船橋)の4人が参戦中だ。

1次リーグ初戦の同オランダ戦では田中、若月、畑の3人が先発し、同世代の欧州王者相手に若月が2得点するなど3-0の勝利に貢献。続く米国戦でも畑と若月の2人がフル出場した。浮嶋監督は「彼らが活躍してくれてうれしい。すごくいい経験をしていると思う。こちらが逆に勇気づけられています」と教え子らの奮闘を喜んだ。

リーグ戦で最後に勝利したのは騒動前の8月11日のジュビロ磐田戦までさかのぼる。再び勢いを取り戻すために是が非でもほしいホームでの白星へむけ「スコアで言うとちょっとしたところで差が出ると思う。一体感を持って全員で戦いたい」と力を込めた。