松本山雅FCのFW永井龍(28)が古巣セレッソ大阪との一戦で貴重な働きを見せた。

1点を追う後半17分、ハイプレスでFW中美がC大阪から球を奪うと、速攻で永井へパス。さらに永井からパスを受けたMF杉本が右足で同点弾を挙げた。試合後はゴールを演出した永井が、敵であるC大阪サポーターから名前を連呼され、活躍がたたえられた。

「冷静になろうと思っていたが、90分通して力が入ってしまった。僕も28歳。古巣といってもいっぱいある。(最近は古巣相手でも)落ち着いてできるようになってきたが、やっぱり長居(ヤンマー)スタジアム、C大阪は特別でした」

永井は兵庫・西宮市生まれでC大阪下部組織出身。オーストラリアのクラブや大分、長崎、名古屋を経て18年から松本に在籍していた。今季はJ1残留争いのまっただ中。23試合3得点と数字的には満足できないが、前線での小気味いいプレーで貢献している。

「(この試合の同点となるパスも)本来ならFWとして自分のシュートで終わらないといけなかった。もし同点になっていなかったら、悔やんでいたはず」。活躍に浮かれることなく、永井は反省のコメントを並べた。

貴重な引き分けでも松本は自動降格圏の17位のまま。ただ、この8試合で2勝5分け1敗と調子は上がっている。残留圏内の15位鳥栖とは残り4試合で勝ち点2差に迫った。この日の勝ち点1が、全日程終了後に大きな意味を持つかもしれない。