13年ぶりにJ1昇格を決めたJ2横浜FCのFWカズ(三浦知良、52)が、体の細部まで整えて来季開幕へ向かう。昇格から一夜明けた25日、カズは横浜市内の練習場でミーティングとファンサービスを終え今季を締めくくった。

昇格の話題はメディアで多く取り上げられ、カズは「(13-1で柏が勝利した)柏対京都の方が大きく取り上げられるかと思った」と冗談を言いながらも「昨日は最高の雰囲気の中で気持ちも良かったですし感動的瞬間だった。でも、今日はもう、普段と変わらずです」と日常に切り替わっていた。

13年前の昇格時はチームに勢いがあり、ウオーミングアップ前に野球をしてリラックスしていたこともあった。対戦相手の監督から「ウオーミングアップでふざけているやつらに負けるなんて」と言われたことを後になって伝え聞いたという。カズは「今回はずっと、そんな甘いもんじゃないとやってきた。13年前も緊張感ある中でやってましたけど、今回はより厳しいものを乗り越えていった感じがしますね」と振り返った。

07年は1年で降格した。下平監督は「J1定着」を目指し、チームのキックの練習でも「こんなんでは、上がったとしても1年で落ちる」と厳しく高い要求をしてきた。カズも「監督は理想が高い。上がったときに、と言いながらずっとやっていた。もっと上を目指したい」とJ1の厳しい試練へ立ち向かう覚悟を口にした。シーズン中はトレーニングで休まない日はほとんどないが、この日は体を休め、26日はメディカルチェックを受ける予定だ。10月末に、りさ子夫人と脳ドッグや胃カメラなど毎年恒例の健康診断を受けたばかりだが、今回はJリーグに提出するための検査だという。血液検査も毎週行い、自身の体の変化を細かくチェックしている。

来季は東京五輪の開催で、2月中旬に公式戦がスタートする。例年に比べ開幕が早まる形になるが、カズは「自分は毎年(始動が)早い。そんなに変わらない。いつも通り」と12月上旬からのグアム合宿を見据えた。