全国高校サッカー選手権新潟県大会決勝は12月1日、デンカビッグスワンスタジアムでキックオフ。ともに全国8強の実績がある日本文理と帝京長岡が激突する。6月の県高校総体準決勝では3-3でのPK戦の末、5-4で日本文理が勝っている。右太もも裏肉離れで、同ゲームに出場できなかったFW斎藤山斗(3年)が復調した冬に持ち前のスピードを披露し、2大会ぶりの全国選手権出場を目指す。

日本文理のFWの斎藤山は決勝戦でひとつの決意を固めている。「ケガで出場できなかった県高校総体(準決勝以降)は、みんなが『勝って、全国に連れていってやるからな』と言ってくれた。今度は自分がみんなのために体を張る」。全国高校総体(インターハイ)出場は、決勝の北越戦に敗れて逃がしたが仲間の心遣いは忘れていない。だからこそ仲間のために、今大会3ゴール目、全国選手権出場を決める得点を狙う。斎藤山が右太もも裏の肉離れに見舞われたのは、県高校総体・準々決勝の新潟戦(5月30日)だった。春先に1度痛めた箇所で、治っては再発を繰り返して新潟戦で4度目の肉離れ。回復までに長い期間を要したが焦らず、無理せず、今大会に照準を合わせてリハビリに取り組んだ。新潟市内の病院で電気治療も受け、地道に別メニューを積んできた。完治して、ゲームに出たのは10月初旬。今でも、テーピングを施してグラウンドに立っている。

持ち味はDFの裏に抜けるスピード。斎藤山は「縦へのパワー」と故障明けながら速さに自信を持っている。トップ下、左サイドハーフなど状況に応じて受け持つポジションも多彩だ。駒沢隆一監督(58)は「スピードと、当たり負けしない体」と復活したFWに、従来通りの期待を寄せた。

前々回17年度の全国高校選手権は初出場で8強入りした。斎藤山は全国のピッチを経験した当時の1年生3選手のうちの1人だ。2回戦の旭川実戦(北海道、2-0)に後半途中出場して全国選手権デビュー。「大会の雰囲気を知っている。もう1度、戻りたい」。そんな思いも、県大会決勝にぶつける。【涌井幹雄】