静岡学園が盤石の試合運びを見せた。3-0で丸岡(福井)に快勝。県勢の全国選手権2勝は、同校以来5大会ぶり。県大会得点王のMF小山尚紀(3年)が、2戦連発となる2得点を挙げる活躍を見せ、チームを3回戦へ導いた。

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5大会ぶり12度目出場の静岡学園は、ベスト16に進出した。前半2分、小山がDF西谷大世(3年)のパスを左サイドで受け、ドリブルを開始。細かいボールタッチで3人のDFをかわして中央へ切れ込むと、右足でゴール左下へ先制点を決めた。最も得意とするカットインからの得点に「(西谷は)中学からのチームメート。パスが来ると分かっていたので、前を向いて仕掛けることができた」。中学時代、セゾンFC(滋賀)に所属した2人が、息のあったプレーを見せた。

先制後は出足の鋭い相手守備に苦しむも、1-0の前半終了間際に貴重な追加点を奪った。同ロスタイム、来季J1鹿島内定のU-18日本代表MF松村優太(3年)の低い右クロスを小山が合わせてゴール。「(松村が)あそこまで進入したら、マイナス方向に折り返すと思っていた」。県大会得点王の実力を発揮し、粘る相手を突き放した。

「毎試合得点」を目標に掲げている。1回戦の岡山学芸戦(6-0)では、1得点。この日は2得点を決め、有言実行の活躍を見せている。今後の進路は未定。成績優秀な小山は、一般入試で難関私大進学を目指している。大会中も宿舎に受験用の勉強道具を持ち込み、合間を見つけて机に向かっている。文武両道を貫く男は「点を取らないと評価されない。自分はゴールを決めることで、勝利に貢献したい」と貪欲に結果を求めていく。

今大会2試合で9得点無失点。攻守の歯車ががっちりかみ合っている。連戦となる3日の3回戦は、選手時代に清水東で全国選手権準優勝を経験した、谷謙吾監督が率いる初出場の今治東と対する。小山は「疲れは大丈夫。ドリブルでは誰にも負けたくない」と力を込める。24大会ぶりの頂点へ向けて視界は良好だ。【古地真隆】