矢板中央(栃木)がFW多田圭佑(2年)の2得点の活躍で四日市中央工(三重)に勝ち、2大会ぶり3度目の4強進出を決めた。

まずは前半12分、右サイドからのクロスに抜け出すと、太ももでのワントラップから浮いたボールに右足を合わせて先制。続く20分にも相手DFのパスカットからゴール前に持ち込み、冷静に右足で流し込んだ。 多田は「FWは点をとることが仕事。自分が決めて、3年生ともっともっと長くやりたかった」と笑顔をみせた。チームは県予選から今大会2回戦まで、勝利こそしたものの6試合連続失点と不安定な守備が続いていた。しかし、3回戦の鵬学園戦で2-0の完封勝利を飾ると、この試合も無失点で勝利。平成25年度の第92回大会の初戦で2-3で敗れていた四日市中央工にリベンジを果たした。多田は「守備からのカウンターを意識していたし、集中できていた。失点がなくなってきて、自信も持てている」と手応えを口にした。

まだ見ぬ場所へと突き進む。4強進出は矢板中央の大会最高成績。個の能力に秀でた先輩らに押され「谷間の世代」と呼ばれた3年生を中心としたチームが、学校初となる決勝の舞台を目指す。高橋健二監督は「今年は全国に出ることが目標のチームだった。選手はひたむきさもあり、大会を通じて成長している。私自身も感動しています」と目を細める。準決勝の相手はここまで4戦15得点と波に乗る優勝候補の静岡学園。主将のDF長江皓亮(3年)は「日本一を目指しているし、しっかり相手を分析して備えたい」と力を込めた。

◆多田圭佑(ただ・けいすけ)2002年(平14)9月27日、茨城県日立市生まれ。坂本SSS、坂本中サッカー部から矢板中央へ。好きな選手は川崎FのFW小林悠。174センチ、67キロ。