2大会連続3度目の準々決勝に臨んだ帝京長岡が、県高校サッカーの歴史を塗り替えた。仙台育英(宮城)に1-0で勝ち、県史上初の4強入りを決めた。

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新潟県勢初の4強入りを果たしたMF谷内田哲平(3年)の決勝点は、強い絆から生まれたものだった。FW晴山の左クロスに対し、スペースへと走り込み、ダイレクトで右足を振った。「(晴山)岬が振り向いた瞬間、感覚的にくると分かった」。キックオフから、わずか1分の先制ゴールだった。

谷内田と晴山は長岡JYFCのU-6(6歳以下)で4歳からボールをけり合ってきた仲間だ。切磋琢磨(せっさたくま)しながら、高校卒業後は谷内田がJ2京都、晴山がJ2町田に加入。互いにJ1昇格を目指すライバルとなるだけに、同じチームで戦うのは今大会まで。谷内田は「目標は日本一」と一緒に優勝まで駆け上がる決意だった。

晴山が2大会連続のハットトリックでスポットライトを浴びているが、谷内田も熊本国府戦に次いで大会2得点。視野の広さが特長で、幼稚園児から中学年代まで指導した長岡JYの西田勝彦代表(46)は「人が見えていない空間が見えている」と評価する。昨年の準決勝はチームメートと埼スタで観戦。谷内田は「スタジアムのイメージはできている」と青森山田戦を見据えた。【涌井幹雄】

◆谷内田哲平(やちだ・てっぺい)2001年(平13)11月1日、新潟県長岡市生まれ。長岡JYFC出身。前回大会は2得点。18年全日本U-18フットサル選手権優勝。好きな選手は神戸MFイニエスタ。170センチ、65キロ。