なでしこリーグ1部のアルビレックス新潟レディースが28日、奥山達之監督兼GM(43)と新加入選手8人らが出席し、新潟聖籠スポーツセンターで新体制会見を行った。FW児野楓香(22=日体大4年)は、U-17女子W杯(コスタリカ)とU-20女子W杯(フランス)の世界一経験メンバー。19年は日体大FIELDS横浜に所属し、リーグ戦13試合6得点をマークするなど実績は十分。即戦力として期待がかかる。

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小粒な154センチの全身には闘志と夢がたっぷり詰まっていた。瞬時にラインを抜け出すスピードと、泥くさく得点を決めるのがプレーの真骨頂。児野は「大きい目標はなでしこジャパン(日本女子代表)に食い込むこと。そのためには試合に出て結果を出していきたい」と意欲を見せた。会見では今季の目標を9得点と掲げたが「本当は12得点と言いたかった」と言う。日体大FIELDS横浜では18年は3得点。19年は右太もも肉離れと右内側靱帯(じんたい)を痛めながらも、13試合で6得点を挙げており、得点源として期待は高い。

実績も申し分ない。V2を決めた19日の全日本大学女子サッカー決勝(対早大、2-0)では、1ゴール1アシスト。各年代別代表にも名を連ね、14年のU-17女子W杯決勝(対スペイン、2-0)では途中出場で1ゴールを決めた。18年のU-20女子W杯は準々決勝ドイツ戦(3-1)の途中出場のみだったが優勝を経験している。奥山監督は「(昨季のチームは)背後に抜けるスピード感が物足りなかった。背後への飛び出し。そして、サイドのスピード。それを補う選手たちに来てもらっている」と話したが、DFの背後に抜け出すことは、児野にとって自分の信条とも言える得意なプレーだ。

負けん気も強い。「争い事は勝つ気しかない」と話す。「ジャンケンでも負けたくない。負けたら“もう1回、お願い”と言ってしまう」。今季のチームのテーマは「勝つ」。対戦相手に勝ち、局面でも勝ち、自分自身との戦いにも勝つ。児野は3月のリーグ戦開幕に向け、FWのポジション争いに勝つつもりだ。チームは28日から全体練習を開始した。【涌井幹雄】

◆児野楓香(この・ふうか)1998年(平10)1月15日生まれ、愛知県出身。藤枝順心(静岡)から日体大。藤枝順心で高校日本一を経験。日体大の卒業式を3月15日に控える。ポジションはFW。背番号9。154センチ、49キロ。