J1ベガルタ仙台は28日、J2水戸と練習試合(45分×3本)を行い、合計スコア0-2で敗れた。前線からの積極的なプレスに苦戦し、ボールをつなぐ新スタイルをピッチで表現できなかった。フィニッシュのシュートまで、なかなか持ち込むことができずに、最後まで1点が遠かった。チームは練習試合を最後に、沖縄糸満キャンプを打ち上げ、2次キャンプ地の宮崎県延岡市へ移動した。

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悔しさが残る一戦になった。1本目、開始早々3分にセットプレーの流れで、先制を許してしまう。最終ラインから攻撃の組み立てを目指すが、いい形で敵陣に侵入できない時間が続いた。同44分には左サイドでのボールロストから2失点目。トップ下を務めたMF関口訓充(34)は「いらない失点をしたのがすべてだと思う。前半(1本目)は風下だったので、プレスを受けてそれをうまくはがせなかった。もう少しシンプルにやれれば良かった」と反省を口にした。

沖縄入り後の練習試合では、J1東京との初戦に引き分けたものの、J2の長崎と水戸に連敗を喫した。45分のゲームを計8本行ったが、PK含む3ゴール。最後の精度を欠いているのは明白で、現在、別メニューで調整している新加入のFWゲデス、MFクエンカの復帰が待たれる。関口は「結果は出てないが、自分たちがやろうとしていることを信じることが重要。開幕までにしっかり仕上がっていればいいと思う」と前を向く。

ボランチとセンターバックをこなすMF吉野恭平(25)は、2戦連続ボランチで先発した。「試合の入りもそうだが、相手が前から勢いよく来て、シンプルなプレーを織り交ぜても良かった。素直に相手の前でつないで、勢いが増してしまった」とシビアに分析する。2本目では、関口のCKから頭でゴールを狙うも枠を捉えられず。「パーフェクトなボールが来たので、決めないといけなかった」と悔しさをにじませた。

今季初戦は、リーグ開幕に先駆けて行われる2月16日のルヴァン杯・浦和戦。試合まで3週間を切り、残された時間は多くない。チーム力アップが求められる2次、3次キャンプでは、沖縄で露見した課題は必ず改善しなければならない。新スタイル構築へ、宮崎できっかけをつかむ。【山田愛斗】