J2アルビレックス新潟はJ3カターレ富山に1-3で敗れた。後半41分にMFシルビーニョ(29)がPKを決めて一矢報いた。これが自身の今キャンプ通算6点目(7試合)。今季、DF堀米悠斗(25)とともに2人制で主将を務める責任感で意地を見せた。

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落ち着いてゴールマウスをとらえた。後半41分のPK。シルビーニョは数度ステップを踏みながら相手GKのタイミングを外すと、ボールを見ずにGKを見据えたまま右足で軽くシュート。1点を返した。

FWファビオ(22)からパスを受け、強烈なシュートを放ったが相手DFのハンドで阻止されてPKをゲット。「手に当たっていなければ入っていた」という会心の1本は阻まれたが、「(PKは)以前からタイミングをずらして打つ」と慌てず自分の形で決めた。

もっとも試合に敗れたため、反省の方が多い。「富山の素早い動きにプレスがはまらなかった。守備の時にも、もっとコンパクトにしなければ」。自身は90分間、トップ下でプレー。このPKでキャンプの練習試合7試合で決めた得点は6。ファビオと並んでチーム最多になった。練習試合から勝ちにこだわるアルベルト監督(51)の方針の下、結果を残し続けることは大きなアピールになる。

ただ個人成績よりもチームの状態を最優先する。今季、新潟はクラブ初の主将2人制を採用。シルビーニョは堀米とともに主将となり、まとめ役になった。「選手同士がお互いを尊敬し合うことが大切」とコミュニケーションを重視。練習試合でも気付いた点はすぐに指摘し、チームを鼓舞してきた。

アルベルト監督は「今日の前半の残り20分間は、このキャンプで最低だった」と厳しかった。前半28分のオウンゴール、終了間際の相手の突破からの失点はミスから招いた。シルビーニョは「修正点はビデオなどで分析する。開幕(23日)までに完成度を高めたい」。敗戦を材料にチームが力をつけるように導くことが自身の役目と受け止めた。【斎藤慎一郎】