ヴィッセル神戸のDF酒井高徳(28)が15日、右目を隠してボールを蹴るという特殊なトレーニングを行った。

この日、クラブは神戸市のいぶきの森球技場で練習を公開。全体練習終了後に、1人残ってボールを蹴り始めた。右目を黒い布で覆い、来た球を左足でトラップし、蹴り返す。「普段両目で見てると、自然と利き目で見てるんですよ。使ってない目は劣化している。利き目を隠して利き目じゃない方で見るトレーニングです。(布を外した後は)変な感じがしますけど、すごく見えやすいというか、よりはっきり、くっきり見えます」と趣旨を説明した。

酒井によれば、ライフキネティックというドイツの老人ホームで行っていた、脳科学を応用したリハビリのトレーニングを、サッカーに特化させたものだという。11年12月に移籍したドイツ・シュツットガルトに所属していたときに習得した。「脳が出す、見えないというストレスを感じないように、普段からトレーニングする。試合中に起こるミスを、ミスと感じないようにプレーする脳を作る。あまり使われていない、見ているようで見ていない目を呼び起こすためのトレーニングでもありますね」とその効果を語った。

ACLの第1戦は5-1と圧勝だった。次の第2戦水原戦(19日、韓国)が迫っている。酒井は「結局弱い相手にホームで勝っただけと言われないように。厳しい試合だし、相手が強いのもわかっている。自分たちのやることしっかりやるのが大事ですけど、1戦目の試合をまったく気にせず、違う試合をしなければならないというのを、頭に入れながらやらないといけない」と気を引き締めた。【南谷竜則】