アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグF組の東京が、初勝利を懸け、18日の第2戦でパース(オーストラリア)をホームに迎える。明大から今季加入した東京五輪世代のMF安部柊斗(しゅうと、22)は、11日のアウェー蔚山戦(1-1)に続く先発出場が濃厚。17日に味スタでの公式練習を終え「ゴールやアシストを目指したい」と話した。

蔚山戦では最大の持ち味である運動量を発揮。攻守に上限運動を繰り返し、長谷川監督も「尋常じゃないデータが出ている」と舌を巻いた。走行距離は1試合13キロ超えを記録することも。昨季のJ1の平均である約10・2キロを楽々と上回る。安部は「試合後もまだまだ走れた。相手が強いとは感じなかった」と手応えをつかみつつ、満足はない。「ラストプレーの質は練習から(監督に)言われている」と、視線を常に先に向ける。自らシュートにいく思い切りのよさも売りだ。

東京U-18からトップ昇格を逃した。「高卒の世代に比べれば後れを取っている」。遠回りしたという危機感が競争心をかき立ててきた。明大ではインカレ優勝や全日本選抜を経験。東京の特別指定選手となり、再評価された。昨年6月にはJ1デビューも果たしており、指揮官も「やれることは昨シーズンから分かっていた」と信頼を寄せる。

即戦力候補として、アピールを続ける。パース戦でゴールに絡めば、23日のJ1開幕戦となる清水戦(アイスタ)のスタメン入りへまた1歩前進となる。「もらったチャンスをものにできるか。すべて自分次第」。自分に重圧をかけるように、静かな口調で試合を見据えた。【岡崎悠利】

◆安部柊斗(あべ・しゅうと)1997年(平9)12月5日生まれ、東京都日野市出身。東京U-18から明大を経て今季加入。明大時代は19年にインカレ優勝、関東大学リーグでベストイレブン、全日本大学選抜。同年に東京の特別指定選手に登録された。171センチ、67キロ。血液型はAB。