Jリーグは27日、19年度の各クラブの経営情報(3月決算、新型コロナウイルスの影響で決算延期となった計10クラブを除く)を発表し、ヴィッセル神戸が現時点で2年連続でのJリーグ最高営業収益となる114・4億円を計上したことなどが明かされた。

今回発表された経営情報は、リーグ全55クラブ中、3月決算の湘南ベルマーレ、ジュビロ磐田、柏レイソル、YSCC横浜の4クラブと、新型コロナウイルスの影響で株主総会が未開催となるなどで決算確定が延期となった横浜FC、水戸ホーリーホック、栃木SC、東京ヴェルディ、レノファ山口、SC相模原の6クラブの計10クラブを除いた45クラブのもの。営業収益は45クラブで計1154億円と前年比プラス72億円を達成。人件費などが入る営業費用も1164億円で前年比プラス108億円となった。 一方で、経営危機が明らかとなっていたサガン鳥栖が当期純損失20・1億円を計上したことや、FC琉球が4期連続赤字となったことなども発表された。クラブライセンス事務局の村山勉氏は、鳥栖については増資により債務超過には陥っていないことを説明。琉球についても財務基準には抵触しないという。

今回明かされた経営情報は昨季のもので、今季は新型コロナウイルスによるリーグ戦休止の影響などでシーズン途中に資金繰りが悪化するクラブも出てくる可能性もある。Jリーグは均等配分金の前倒し支給や、リーグと国の持つ融資制度の活用などを提案するなどして救済にあたる方向性を示しており、クラブ経営本部本部長の鈴木■(■は徳の旧字体)昭氏は「各クラブとは例年以上に密に連絡をとっている。大きな方針として全てのクラブが経営を存続する、倒産がないことを考えて対応しています」と話した。同リーグによると7月中には全55クラブによる経営情報開示を行う予定だという。【松尾幸之介】