浦和レッズは今季初先発のMFエヴェルトンが決勝点を挙げた。後半7分、DF山中によるエリア手前左のFKからDF岩波が折り返したボールを見逃さなかった。「岩波が折り返すのが分かった」とゴール中央でシュート体勢に入り、そのまま右足のヒールで押し込んだ。今季初ゴールが決勝点となったエヴェルトンは「チャンスの少ない試合だったのでセットプレーからうれしいゴールを決められた」と素直に喜んだ。

「日替わり」ダブルボランチが的中した。4日横浜戦は柴戸、青木、8日仙台戦は柏木、柴戸だったコンビだが、この日の鹿島戦はエヴェルトン、青木が先発起用された。大槻監督は「これまで出場した選手だけでは乗り切れない。今日はエヴェルトンが決めてくれた。(ベンチ入り)18人だけでなく。他の選手も戦わないといけないことがわかり、それが収穫」と強調した。

有観客となった埼玉スタジアムのキックオフ前のスタンドは、座席ごとにサポーターがビニールビブスを着用。スタンドを赤、白、黒のチームカラーで染めた。後半に運動量が落ち、粘る鹿島の猛攻にも見舞われたが、2試合ぶりの完封劇。勝利インタビューでGK西川主将は「みなさんの力で我慢強くプレーできた」と言えば、DF山中は「いいプレーに拍手をもらったり、あと1歩が出る。ありがたい存在」と感謝。リーグ戦では今季ホーム初勝利を届け、開幕から3勝1分けと負けなし。有観客試合も大きな後押しに、浦和が開幕ダッシュを続ける。【藤中栄二】