J2アルビレックス新潟のFW鄭大世(36)が、今日30日のアウェーFC琉球戦での活躍を誓った。29日は黄金森運動公園陸上競技場(沖縄)で練習。9位の新潟は、7得点のエースFW渡辺新太(25)が右足第5中骨骨折で長期離脱。攻撃の軸を失った逆境を、J1清水エスパルスから来た強力助っ人がチームを5試合ぶりの勝利と後半戦巻き返しに導く。

「良いパスが来れば、ゴール前でどうにかする」。29日の練習前、オンライン取材に応じた鄭大世は、新潟デビュー戦となったホーム、V・ファーレン長崎戦(2日、2△2)以来の得点へ向け意欲を見せた。「サイドバックの選手には、相手GKの位置を見てクロスを上げるよう助言している。CBをゴール方向へ向かせれば何かが起きるし、競り合いになれば自分が先に触る自信はある」。

8月末の合流からここまで7試合出場の鄭大世は、リーグ戦の折り返しとなった前節ホーム、ヴァンフォーレ甲府戦(26日、1△1)に先発出場。体の強さを生かしたポストプレーで攻撃の起点となったが、チームは相手の守りを崩せず今季最少のシュート4本、自身も前半にペナルティーエリア外から放った1本に終わった。「自分の特徴を生かそうとシンプルにクロスを上げてくれるが、それだけでは相手は守りやすい。もっと工夫が必要」。

チームが直近4試合で奪った得点はわずか「2」。1つは相手のオウンゴールによるもので、相手の守備を崩すには至っていない。加えてトップスコアラーの渡辺が負傷離脱。鄭大世は「渡辺がいないことはかなり痛いが、他が頑張るしかない。ビルドアップ時の運動量を向上させたり、FWを飛び越すような、2列目からの飛び出しが必要」と修正点を口にした。

琉球は現在18位と低迷しているが、10得点のFW阿部拓馬(32)を軸に、直近5試合では14得点を奪い、3勝を挙げている。ここ数試合に限れば対照的なチームとの対戦となるが、「何度はじかれてもトライ&エラーを繰り返すことが重要。中盤の選手が前を向けた時にチャンスが来る」。決定力不足に苦しむチームを背番号49が最前線で引っ張り、5試合ぶりの勝利に導く。【小林忠】