神戸が1-0で名古屋に競り勝ち、今季初の3連勝を飾った。主将MFアンドレス・イニエスタ(36)が2試合ぶり今季2点目となる決勝点を挙げ、この3連勝中の計9得点中8得点に絡む“確変状態”。2戦連続の完封にも貢献し、攻守ともにさらにパワーアップした。三浦新監督は就任2連勝発進となり、新生神戸が混戦の上位浮上へ台風の目となる。

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イニエスタはご機嫌だった。試合後の会見の最後を「ありがとう、こんばんは、おやすみ」と日本語3連発で締めた。それほど美しい決勝点だった。

後半15分、敵陣ペナルティーエリア外でFWドウグラスから受けたパスを、ドリブルで仕掛け、MF郷家とのワンツーから右足を振り抜いた。枠外へふかさないよう、1バウンドでゴール左へと沈めた。

「多くの連係で最後はゴールを決められ、僕も喜んでいる。神戸は質の高い選手がいっぱいいるので、自信を持っていくべき。これで悪い流れを断ち切ったことを証明できた」

この3連勝の計9得点中、主将が絡んだのは何と8得点。この試合も長短自在のパスを供給。オーバーヘッドを空振りする場面もあり、36歳とは思えない躍動感だった。

公式戦8戦未勝利が続いたドイツ人のフィンク監督が9月22日に電撃退任。主導権を握っても白星から見放され、スポーツダイレクターだった三浦新監督が前節から就任し、新体制で2連勝となった。改めて攻撃的サッカーを貫き、目指すバルセロナのような奇麗な得点場面だった。

「イニエスタの連係プレーは練習でもやっていて、実際に結果として表れた。基本的に能力の高い選手のことを信頼している」と三浦監督。今週初めには練習場で新指揮官とイニエスタが1対1で話し合った。体調確認をされたイニエスタは、おとこ気で5試合連続先発も買って出た。

約2年2カ月ぶりの2試合連続の無失点。DF酒井は「最後で体を張れて少しよくなってきている」と守備陣も元気だ。三浦神戸が、イニエスタを中心に完全に息を吹き返してきた。【横田和幸】