セレッソ大阪の逆転初Vへの夢は限りなく遠のいた。首位川崎Fを直接たたくラストチャンス。FW柿谷が「負けたら終わりぐらいの気持ちで臨む」と話していたように、全員が覚悟を決めた決戦に敗れ去った。

川崎Fに隙はなかった。C大阪は自由にボールを回せず、苦しい流れから前半37分にオウンゴールで失点。後半17分に奧埜のゴールで追いつくが同38分、39分とわずか2分で2失点。奧埜は「攻撃の人数のかけ方、崩し方がうまい。ブロックを作るだけでは守れない」。好成績を支えてきた堅守があっさり崩された。

観客の収容数上限を50%の約2万1000人に緩和。そこには届かなかったが、今季初めて1万人超の1万1842人が「首位打倒」の後押しに駆けつけた。しかし、厳しい現実を突きつけられた。ロティーナ監督は「われわれの目標は変わらない。目の前の試合に勝つだけだ」と言った。

詰めたかった勝ち点差は14に広がった。一時、同点のゴールを決めた奧埜は「厳しい状況は間違いないが、目の前の試合に勝ち、勝ち点3をとることしかできない」。MF坂元も「あきらめず残りの全試合、勝ち点3をとるつもりで戦いたい」。奇跡を信じて戦い抜く。【実藤健一】