来秋開幕予定のサッカー女子プロリーグ「WEリーグ」の岡島喜久子チェア(62)が23日、初年度に参入する11クラブの視察をスタートさせた。

初日のこの日はジェフ千葉レディースを訪問。クラブハウスや練習場を見学したほか、クラブの指定管理事業推進室の高橋薫室長に案内されながらスタジアム設備もチェックした。岡島チェアは「すごく素晴らしいスタジアム。見やすいですし、身がい者への配慮も徹底されている」と称賛。現在の千葉レディースのコア客層が40~50代男性と知らされると「Jリーグでも年齢層が上がってきていると聞いている」と危機感を口にし「女性やサッカーをやっている中高生がもっと増え、幅広い年齢層に来てもらえれば支持されるようになる」と力を込めた。

岡島チェアは選手として女子日本代表でもプレーした経験を持ち、早大卒業後の83年にケミカル銀行(現JPモルガン・チェース銀行)に入行すると、東京支店を皮切りに、89年から海外勤務に。この転勤を機に現役を引退すると、91年から拠点を米国へ。メリルリンチなどの外資系金融機関で経験を積んできた。スタジアム視察では貴賓室なども見回り、同行した千葉の森本航社長らに現在も拠点を置く米国のスタジアムとの違いなども提案した。森本社長は「米国での生活が長い方なので、発想だったり、我々が全く目をつけていなかったこともおっしゃられていた。勉強になりました」と振り返った。

岡島チェアは9月28日に帰国し、2週間の自主待機を経て、10月15日に都内でWEリーグの初年度参入クラブ発表会見に出席。その後は日本協会の田嶋幸三会長と面会した。30日には、福島県内で強化合宿中のなでしこジャパンの高倉麻子監督との面会も予定しているという。高倉監督は16日の代表選手発表会見で「代表とリーグは両輪」とWEリーグと協力した強化を提言しており、岡島チェアは「リーグに望むことであったり、意見を聞いてみたい」と語った。【松尾幸之介】