J2アルビレックス新潟は24日、アルベルト監督(52)の来季続投を発表した。就任1年目の今季はチームに攻撃的スタイルを浸透させ、ここまで14勝14分け7敗の勝ち点56で5位。昨季10位のチームを立て直す手腕を発揮している。現在、リーグ戦7試合を残し、J1自動昇格圏内の2位アビスパ福岡までは勝ち点差13。今日25日の愛媛FC戦(午後7時開始)は昇格争いにとどまるためにも絶対に落とせない1戦となる。情熱的な指揮官と選手がサポーターの応援を背に一丸となり、ホームで連勝を狙う。

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アルベルト監督が“大きな愛”でクラブを包み込む。この日の練習後、「クラブが私を必要としてくれたので続投の決断は簡単だった。ここでの生活に満足している。選手、サポーターとともに、クラブの誇りをより強いものにしたい」と、いかに新潟の地を気に入っているかを笑顔で表現した。

就任1年目の今季は、ボールを保持しながら攻撃を組み立てるスタイルを選手に根付かせ、昨季10位のチームをJ1昇格争いができる位置まで引き上げている。中野幸夫社長とは7日以降、4度に渡り去就について面談を繰り返してきた。中野社長は「続投の熱意は最初から伝えた。残り試合を含め、いい戦いを来季も続けて欲しい」と期待を込めた。

スペイン出身のアルベルト監督は、03年からバルセロナの育成部門で尽力。監督業は新潟が初となるが、選手の特徴を見抜き、戦術に生かす手腕は他クラブからも注目を受け、多くのオファーが届いた。それでもアルベルト監督は「今のプレースタイルをここで継続したい。どんな状況でも全力に取り組む選手とともに、明確化された道を歩んで行く。日々成長することができれば、よりよい結果がついて来る。日本一のサポーターの存在も(来季続投の)大きなポイントです」と新潟愛を貫く。

家族も新潟での生活を気に入っているようで「娘は多くの友人に恵まれている。サポートしてくれる小学校の先生にも感謝している。妻がここに残りたくないと言えばサインはできなかった。全員が満喫しています」と話した。

リーグ戦は残り7試合。J1昇格ラインの2位福岡とは大きな勝ち点差があるが、今季での昇格をあきらめたわけではない。愛媛戦に向け指揮官は、「キックオフから激しさを求め、これまでと同様のスタイルでゴールを目指したい」とホームで連勝をつかみ取ろうとしている。【小林忠】