川崎フロンターレが、4試合を残しての最速優勝で、2年ぶり3度目のVを飾った。

今季限りでの引退を発表しているMF中村憲剛(40)は、後半41分からピッチへ。出場停止のDF谷口に代わって主将を務めたMF大島からキャプテンマークを譲り受けて、歓喜の瞬間を迎えた。

シャーレを抱えてオンライン会見に応じた中村は、「(急いで来たので)記者会見場にスパイクで来たのは初めてです。…すべりました?」と満面の笑みで取材に応じた。

会見での一問一答は以下の通り。

-今の気持ちは

中村 最高です。最高意外の何ものでもない。こんな幸せな40歳でいいのかと思っています。みんなに感謝です。

-コロナ禍

中村 今季は新型コロナの影響は避けて通れない話。すべての地球上の人に影響があり、僕らも一時活動が停止になって、それでも再開のときのオニさん(鬼木監督)が、「こういうときだから、日本サッカーを引っ張っていく、喜んでもらえるサッカーしよう」と言ってくれて、火が付いた。過密日程も分かっていた。若い選手も成長したし、中堅もベテランも存在意義を出さないといけなかった。10連勝、12連勝ができて、最後はちょっと時間がかかったけど、今日もすばらしい試合をしてくれたし、途中から出た選手も手を緩めることなく、今季を象徴するゲームができた。

今季で引退と決めていたが、ほとんどの人に言わない中でスタートした。後輩が、自分がいない間に強いフロンターレを見せてくれた。そこに乗っかっただけ。(ケガから)戻ってくるのが簡単じゃないことは分かっていた。クリアして戻ってくることで成長できた。みんなのおかげ。こんな幸せな40歳、引退する年にシャーレを掲げられるなんて幸せ者。すべての人に感謝したい。

-優勝が決まった瞬間の思い

中村 初優勝のときは5-0で勝っていて、鹿島の結果待ち。今回は自分たちで勝てば決まる試合。点差も5点で、自分たちの中では優勝を手中に収めていたので、涙というより、とにかくうれしい、最高の気分。パッと見たら悠(小林)が近くにいて、いいポジションとっているなと。おとといのオンライン会見で俺を探すと言っていたけど、近すぎて逃げられなかった(笑い)。彼とは長く苦しい時期も共にしてきた。2人で喜べるのは感慨深かった。

-大島からキャプテンマーク

中村 守田に渡すべきだと思ったけど、「巻いてください」と。僚太(大島)が入ってきたときのことを思い出した。彼のおかげで、彼がいるからこそ、自分もこの5年くらい輝けた。僚太に感謝します。

-天皇杯に向けて

中村 リーグ優勝と天皇杯の優勝は、ルヴァン杯で負けてからの目標だった。「今終わったところで、次の目標に向かってやっていこう」と、オニさんが話してくれた。リーグ戦が残っているけどしっかり戦って、天皇杯につなげたい。

-大分戦からの立て直し

中村 大分戦の反省はしたし、今日臨むにあたって、今日やらない選手はいないだろう、と。ホームで優勝が決まる状況で、みんなスイッチが入った。目の前で優勝するんだという、強い気持ちが開始から出た。ガンバも中2日だったのもある。向こうも目の前で勝たれたくない気持ちがあったと思う。勝ちたい気持ちが上回ったのが、攻守に圧倒できた要因。