今季限りで現役を引退する北海道コンサドーレ札幌DF石川直樹とMF早坂良太(ともに35)が2日、オンラインで取材に応じた。前日1日にクラブから現役引退が発表された。17年のプロ生活に幕を閉じる石川は「やりきって大満足だったサッカー人生」と晴れやかに話し、早坂は「すごい充実した素晴らしいサッカー人生だった」とやりきった表情を浮かべていた。

早坂が17年に鳥栖から完全移籍。石川が同年夏に仙台から加入し、クラブの16年ぶりJ1残留に貢献した。ただ翌18年に就任したミハイロ・ペトロビッチ監督(63)の若手の積極的起用もあり、ベテラン2人は控えになる試合も増えた。それでも石川は練習中から声を出してチームを鼓舞していつでも出番に備え、早坂は複数ポジションをこなす器用さでチームを支えた。

だが、ケガも重なった石川は「練習から100%で、試合でそれを表現するのがプロとしてのあり方だったが、なかなかそれができなくなった」と決断。早坂も「プロとしてやる以上試合に出てチームに貢献するのが第一条件。チームが勝てていない時にグラウンドに立てない、力になれない。自分の存在価値って何だろうと思った」と、プロとしての区切りを決めた。

柏時代の期限付き移籍も含め札幌に2度在籍した石川はクラブ愛を語った。最初の在籍時には、10年に主将も務めた。当時J2だったクラブの成長を近くで見てきた。今年から北海道に対する地域貢献活動にも参加している。「コンサドーレというチームが大好きなので、しっかり還元できる形を作りながら」と、引退後のビジョンを語る。静岡大時代に教員免許を取得している早坂は「やりたいことがいっぱいある」と、第2の人生の選択肢は多くありそうだ。

この日は現所属チームの担当記者や地元テレビ局関係者のほかにも、ともに歴代所属先関係の報道陣も参加する温かい会見となり、引退を惜しまれた。みんなから愛された頼れるベテラン2人は、5日ホーム最終戦C大阪戦(札幌ドーム)で、本拠地のピッチと別れを告げる。