激戦区大阪を勝ち抜き6大会ぶり出場の履正社(大阪)が、初戦で姿を消した。1-2で前回大会4強の帝京長岡(新潟)に逆転負け。J1湘南に加入が内定しているMF平岡大陽(3年)がベンチ外、エースFW神田拓海(3年)も途中出場。中心選手がケガを抱えベスト布陣を組めなかった。大阪勢は3大会連続で初戦敗退となった。

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履正社の選手は、崩れ落ち、涙を流した。前半16分に、FW浅野大生(3年)が右CKから先制点。しかし、後半で守りの姿勢に入ってしまった。ボールを失う場面もあり、後半7分に同点にされると、33分にも失点。前回大会4強の帝京長岡にシュート数(履正社7、帝京長岡3本)で上回りながら逆転を許し、初戦で姿を消した。

先発のピッチには、J1湘南入りする大黒柱のMF平岡の姿も大阪大会4得点のエースFW神田の姿もなかった。MF平岡はケガでベンチ入りすらできず、FW神田も腰痛のため後半からの出場となった。MF赤井瞭太主将(3年)も捻挫を抱えながら強行出場したが、後半29分で交代。同主将は「メンバーに入れなかった選手が、悔しい気持ちを見せずに最後までサポートしてくれてた。勝たせてあげたかった」。平野直樹監督(55)は「運も実力のうちです」と唇をかんだ。

強豪校ひしめく大阪は激戦区と呼ばれながら、18年年度の大院大高、19年度の興国に続く3大会連続で初戦敗退。今大会の履正社は3年生全員がメンバー入り。結束力は抜群だったはずが、中心選手の故障が影響し、またしても全国の壁に屈した。「我慢比べで我慢できなかった」と平野監督。冬空に、履正社の選手のすすり泣く声が響いた。【佐藤あすみ】