県勢2連覇の夢は消えた。4大会ぶり3度目出場の藤枝明誠が、山梨学院にPK戦の末、6-7で敗れた。

前半33分にMF賀茂大紀(3年)のゴールで1-1の同点としたが、後半は無得点。初出場した2009年度大会以来の8強入りを逃した。前回大会優勝の静岡学園に続いて、頂点に立つことはできなかった。

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意地は見せた。ただ、勝ちきれなかった。藤枝明誠は1点を追う前半33分、左CKからの2次攻撃でゴールを射止めた。中央のこぼれ球にMF賀茂が反応。トラップで抜け出すと、左足でネットを揺らした。新田(愛媛)との初戦に続き、2試合連続で追う展開にも、食らいついた。「よく追いついた」。松本安司監督(51)は粘りをたたえたが、後半の1点が遠かった。

PK戦は互いに6人が成功して迎えた7人目。DF三輪昭太(3年)が決めきれず、終戦を迎えた。前年度は、静岡学園が県勢24大会ぶりの全国制覇を達成。静岡代表として連覇を狙った舞台は、重圧も大きかった。主将のMF中山碧(あお、3年)は「楽しくできた」と明かしたが、指揮官が選手の本音を代弁して言った。「いろんな場所で『優勝』と言わなければいけない選手は大変だったはず。勝たせてあげられなかったのは私の責任」。

09年度大会以来となるベスト8進出は果たせなかった。全国選手権3度目の挑戦は3回戦敗退。ただ、コロナ禍で戦った特別な舞台を経験できたことは、今後につながるはずだ。「新しいチャレンジの第1歩だと思う」と松本監督。中山主将も「この悔しさを胸に頑張ってほしい」と訴え、後輩たちに思いを託した。