市立船橋FW加藤想音(そおと、3年)がエース襲名に名乗りを上げた。1-0で迎えた仙台育英戦の後半7分。MF八木のスルーパスに反応。DF裏へ抜け出して、出てきたGKの脇を抜く右足シュートで今大会2点目を決めた。チームはその後も追加点を挙げ、完勝で7大会ぶりの8強進出を果たした。

DF石田主将を中心に堅守を誇る。一方「絶対的ストライカーがいない」(波多監督)とも言われる。そんな評価を受け入れるわけにはいかない。加藤は「これまで突出して得点できているわけではないのでエースと言われないのはしょうがない。でも今大会では自分がチーム内で一番点を取りたい」。現在3得点の同僚木内を抜く意気込みだ。

中学時代は千葉のクラブチームWingsに所属。中3時の全国大会ではJ2のモンテディオ山形の下部組織相手にゴールを決めるなどし、決勝トーナメント進出に貢献した。中学、高校とキックは欠かさず練習しており、この日はCKで先制点も演出した。

「選手権前に泊まりで試合をする日があったんですけど朝の集合に遅れました」というのが丸刈りの理由。最弱の代とも言われる中「市船は簡単に負けちゃいけない」とあの怪物ロナウドばりに縦横無尽にピッチを駆ける。【千葉修宏】