帝京長岡が2大会連続で8強を突破し、埼玉スタジアム行きの切符をもぎ取った。5度の優勝を誇る市船橋(千葉)をハイレベルなサッカーで圧倒し、2-1で破った。前半26分、FW葛岡孝大の2試合連続ゴールで先制すると、その4分後にMF上野一心(ともに3年)が追加点を挙げた。悲願の全国初制覇まであと2勝。山梨学院との準決勝は、9日(午後0時5分開始)に行われる。

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準決勝進出へ向け、葛岡が巧みな動きだしから貴重な先制点を奪った。前半26分、ペナルティーエリア中央に走り込み、上野のラストパスを呼び込むと、ダイレクトで左足を合わせた。「相手DFを冷静に見ながら、いい位置に入り込むことができた。いいパスだったので流し込むだけだった」。市船橋GK細江彦太(3年)が懸命に左腕を伸ばしたが、正確なシュートはゴール右隅に吸い込まれた。3回戦(対神戸弘陵3○1)からの2戦連発、今大会2得点目を「1戦1戦成長している実感がある」と喜んだ。

この試合では2トップを組むFW石原波輝(3年)が、3回戦で負ったケガの影響で欠場。「石原は(前日の段階で)欠場が決まってからも、チームに声をかけて盛り上げてくれた。絶対(石原を)次のステージに連れて行くという強い気持ちで臨んだ」。葛岡は得点以外にも体を張ったポストプレーやロングスローでも好機を演出。後半39分に交代するまでピッチを走り抜けた。

古沢徹監督(35)が「ハードワークしてくれた選手の頑張りに尽きる」と振り返ったように、3大会連続4度目の準々決勝に臨んだチームは圧倒的な運動量を生かした前線からのプレッシングで市船橋を苦しめた。攻撃では細かいパス交換でゴール前に進入し、前半だけで11本のシュートを相手に浴びせた。葛岡の先制点から4分後には上野が続き、優位な状況にゲームを持ち込むと、前半で勝負を決めた。

目標の日本一まであと2勝。まずは前回大会の4強超えに葛岡は照準を合わせる。「まだスタートラインに立ったばかり。今日のようなハードワークとパスワークで勝利したい」と表情を引き締めた。

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