セレッソ大阪は9日、元日本代表FW大久保嘉人(38)を完全移籍で獲得したと発表した。

J2東京ヴェルディから昨季限りで退団が決まり、移籍先を探す中で古巣から復帰の要請が届いた。長崎・国見卒業後の01年にC大阪入りした大久保にとって、06年以来15年ぶりの古巣復帰となる。

大久保はクラブを通じて「再び、C大阪のユニホームを着て戦えることをうれしく思っています。プロ21年目のシーズン、サッカー選手としての終わりを意識していないといったら、うそになります。だからこそ感じること、見えることもあると思っています。自分の選手生活の最後はC大阪で、という気持ちで頑張ってきました。そして、その気持ちを理解してくれたクラブに感謝しています。しかし、ピッチに立てばチームの勝利のために全力を尽くす。それは変わりません。1試合、1試合、1日、1日、覚悟をもって挑んでいきたいと思います」とコメントした。

J1歴代最多185得点(448試合)を誇る大久保は、昨季はJ2で19試合無得点と不完全燃焼に終わっていた。それでも今年6月に39歳の誕生日を迎えるベテランは、ゴール前でのパワフルな動きは健在。C大阪はクラブ出身者としてリスペクトする一方、あくまで戦力と評価して獲得した。

今季4度目の復帰を果たすレビークルピ監督とは、過去にC大阪で同じ時期に在籍しておらず今回、初めて師弟関係を結ぶことになる。創造力豊かなプレーは、ブラジル人指揮官が求めるものでもあり、大久保が古巣で復活する可能性は十分ある。

◆大久保嘉人(おおくぼ・よしと)1982年(昭57)6月9日、福岡・苅田町生まれ。国見3年時に総体、国体、選手権の高校3冠。01年C大阪入り。04年マジョルカ、06年C大阪から神戸へ。08年ウォルフスブルク、09以降は神戸、川崎F、東京、川崎F、磐田、20年J2東京Vへ。日本代表は04年アテネ五輪と10、14年W杯出場。国際Aマッチ通算60試合6得点。家族は夫人と4男。170センチ、73キロ。