今季無敗の青森山田が、2大会連続準優勝に終わった。公式戦、練習試合と連勝を積み重ねてきたが、09年度の決勝で屈した山梨学院に2-2からのPK戦で敗戦。

2大会ぶり「王座奪還」を掲げ、前回決勝で静岡学園に競り負けた悔しさをぶつけるも、また1歩及ばなかった。前半12分に先制されたが、後半12分にDF藤原優大主将(3年)が同点とし、同18分にMF安斎颯馬(3年)が大会得点王を決める逆転弾。その後、同33分に失点して延長戦に突入。それでもスコアは動かず、PK戦は2人目の安斎が止められるなど2-4で力尽きた。

   ◇   ◇   ◇

青森山田の選手たちはピッチに崩れ、涙が止まらなかった。一時逆転となるゴールを決めた安斎は、PKで2人目のキッカーを務めるも、相手GKに完璧に読まれてセーブされた。4人目のDF三輪椋平(2年)も外してしまい、全員が成功させた山梨学院に軍配が上がった。

0-1の後半6分、ドリブルが武器のMF藤森颯太(2年)を投入し、流れが変わった。同12分、ロングスローのこぼれ球からMF松木玖生(くりゅう、2年)が利き足とは反対の右でシュート。GKがはじいたこぼれ球を藤原が左足で押し込み同点弾を決めた。同18分には藤森の右クロスから安斎が倒れ込みながら得点ランキング単独1位となる5ゴール目を決めて逆転したが、チャンスを仕留めきれず結果に響いた。

藤原は「延長までいき、たくさんのチャンスがあった中で決めきれなかった。悔しさはあるけど、このチームでやってきたことに後悔がないといったらおかしいけど、自分はやりきったつもりです」と前を向いた。

黒田剛監督(50)は「サッカーをやっている以上は決めるところを決めないとダメだし、チャンスの数で勝負するわけではない。サッカーのスキルは上回ったかもしれないが、それぞれが役割を果たせず、その差が結果に出た。いろんな意味でリベンジを掲げてここまでやってきて、最後の1ゲームにたどり着いたが、けが人含めて最高のパフォーマンスを出せなかった」と振り返った。

節目の選手権通算50勝目はお預けとなった。それでも2年生で全試合スタメンの松木、MF宇野禅斗、MF小原由敬、FW名須川真光(まさき)、途中出場で存在感を示した藤森と、100回大会となる来年度もタレントは豊富だ。次こそ王座奪還を成し遂げる。【山田愛斗】