宮城県の村井嘉浩知事(60)が、トップセールスでJ1ベガルタ仙台を強力アシストする。13年以来8季ぶりに復帰した手倉森誠監督(53)、昨年12月就任の佐々木知広社長(64)らが22日、県庁で同知事を表敬訪問した。クラブは昨季17位からの逆襲へ新体制で心機一転。東日本大震災から10年の節目に「希望の光」になるために1戦1戦戦う。コロナ禍の影響を受け、「会社」としても試練は続くが、チーム成績、経営面ともに向上させていく。

20年度は入場料やスポンサー収入が激減し、過去最悪となる約6・6億円の最終赤字、約3億円の債務超過に陥る見込み。村井知事は「財政基盤が非常に厳しいということもあります」。仙台は宮城県と仙台市が株主の「市民クラブ」であるが、「いろんなプロスポーツがある中で『サッカーだけに税金を』とはいきません。税金を投与せずに応援しよう」と、県職員と仙台市職員が手分けをして、各企業へ支援を募っていることを明かした。

仙台を援護するトップセールスが実を結んだ。「私もこのために数社を歩きました。お金を拠出してくださる会社もありまして」と笑顔を見せた。「県庁を挙げてスポンサー探しに努力していきたい。まだまだ経営はコロナ禍で大変だと思うが、みんなで一緒に宮城県のチームとして育てていきたい」と力強く語った。

村井知事から「お帰りなさい」と歓迎された手倉森監督は「震災当時に希望の光になりえた光をもう1回解き放たなければいけない。1年間通じて勇気や感動を届けられる試合をして、東北、仙台を明るくするために頑張っていきます」。宮城県や仙台市の強力バックアップにピッチで恩返しする。【山田愛斗】