熱戦の幕が間もなく上がる。J1清水エスパルスは27日のリーグ開幕戦で鹿島アントラーズと対戦(カシマ、午後3時)。両軍による24日のJリーグ開幕直前オンライン記者会見に、清水側からロティーナ監督(63)と、日本代表GK権田修一(31)が出席した。

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清水の権田は鹿島について「伝統という言葉が最も似合う。勝利の文化がクラブの中にあり続けていて、自分たちも見習いたい。簡単ではないが、目標到達のためには倒さなければならない相手」と評した。

昨季10得点を決めた東京五輪世代の鹿島FW上田綺世(あやせ、22)については「ゴールへの執着心があり、得点パターンも多彩。気を付けたい」と警戒を強めた。さらに「うちとの試合以外で頑張ってほしい」と“先制口撃”も忘れなかった。両者は18年末の日本代表合宿で共にプレー。上田も「すごく(ゴール前で)大きく感じる」と話し、守護神とストライカーの対決も注目される。

昨季の清水は16位。なかなか浮上のきっかけをつかめなかった。今季に向けて積極補強を行い、11人の新戦力が加わった。新加入ながら主将を務める権田は「残留争いをするために、ここへ来たわけではない。『今までとは違う』という部分を見せなければ」。20チームによるリーグ戦38試合の長丁場に向けて「毎試合の準備をしっかりすることで、良い結果につながる」と話した。

両指揮官も互いのチームの印象を語った。ロティーナ監督は「昨年の序盤こそ変化もあり苦しんだが、さすがアントラーズ。巻き返して強さを復活させた。タイトルを狙うチームで、アジアを代表するクラブ」と敬意を払った。対する鹿島のザーゴ監督(51)は「移籍マーケットをうまく活用し、良い補強をしたと感じている。しっかりと対策を練りたい」と気を引き締めた。

清水は鹿島に対してリーグ戦9試合勝ちなし(2分け7敗)。難敵から6年ぶりの勝利を奪って、好スタートを切りたいところだ。【古地真隆】