昨季王者の川崎フロンターレが横浜F・マリノスを2-0で下し、白星スタートを切った。FW家長が前半21分に左足ボレー、43分にヘディングでゴールを奪い、守備では無得点に抑えた。点差以上に地力の差をみせて、神奈川ダービーを制した。

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横浜の高卒ルーキー、MF樺山(かばやま)諒乃介(18)が、昨季王者との開幕戦でJ1デビューを果たした。興国から今季加入のアタッカーは立ち上がりから左サイドでボールを持つと、積極的にドリブル突破を披露。前半38分には敵陣ペナルティーエリア内で仕掛けて相手2人をかわすなど、高い潜在能力をアピールした。

横浜で高卒新人が開幕スタメンは07年のMF長谷川アーリアジャスール(横浜ユース出身)以来14年ぶり5人目。高体連(部活)出身者に限ると、95年の元日本代表DF松田直樹(前橋育英出身)以来26年ぶりとなった。鹿島と並んで93年のJリーグ創設時からJ1に在籍し続ける名門クラブで、高卒新人が開幕戦からスタメンを飾るのがいかに難しいかを物語る。本人も「(開幕前の)キャンプで手応えを感じていたが、まさかスタメンとは思っていなかった」と言う。

横浜とは複数年契約を交わしているものの海外志向が強く、フランス2部トゥールーズからは獲得の打診を受けた経験がある。「Jリーグで活躍し、将来はプレミアリーグに移籍するのが夢」と語る。開幕スタメンは果たしたものの、前半のみで交代。チームも敗れ「自信を持って挑んでも、やっぱり王者はすごかった。自分の良さを出せるようにしたい」とさらなる成長を誓った。