合体した“新生”東京武蔵野ユナイテッドFCが、ホームで迎えた今季開幕戦を2-2で引き分けた。

ラインメール青森に前半13分に先取点を奪われたが、後半6分、途中出場のMF伊藤大祐のゴールで同点。同35分にFW飯島秀教のスルーパスから、こちらも途中出場のFW田口光樹が右足で目の覚めるような強シュートを決め、2-1と逆転した。勝利目前だったが、ロスタイムにラインメール青森FW行武大希にヘディングシュートを決められ、試合は2-2のドローに終わった。

池上寿之監督は「最後は後ろに人数をかけて守りきろうとしたが、踏ん張り切れなかった」と悔やんだ。一方で強風に向かって戦った後半に、前掛かりに出てきた相手の裏のスペースを突いて2得点。「狙い通りだった」と手応えもつかんだ。

今季、関東1部リーグに所属する東京ユナイテッドとクラブ同士が提携を結び、昨季までの「東京武蔵野シティーFC」からチーム名が東京武蔵野ユナイテッドFCに変更。従来のチームに、東京ユナイテッドから11選手と強化スタッフらが加わった。

チーム基盤を強固なものとするため、異例の「ユナイテッド(統合)」だが、池上監督は「もともと守備力のチームに東京ユナイテッドの攻撃力が加わった。もともと関東とはいえ、クオリティーの高い選手が多い。うまく融合させたい」と話す。この日も先発6人が東京武蔵野、5人が東京ユナイテッドという見事な合体ぶりだった。

ゲームキャプテンを務めたMF鈴木裕也は「勝てなかったことは残念。今日の試合で言えば、まだ70点くらいの出来」。新生チームが始動してまだ1カ月半ほどだが、「新しい選手はみんな人間性の優れた者ばかり。メンバーが多くなり競争が激しくなった分、刺激も多いです」とニッコリ。チームの雰囲気はいいだけに「一戦一戦しっかり戦い、上位に絡めるようにしたい」と意気込んだ。【佐藤隆志】