J2初挑戦のブラウブリッツ秋田が雨ニモマケズ、本拠地開幕戦を白星で飾った。

勝ち点で並ぶ京都サンガFCを1-0で退け、昇格後ホーム初勝利。ここ4戦無敗(3勝1分け)と絶好調を維持したまま4位に浮上した。前半41分、MF茂平(27)が巧みにGKをかわして先制弾。2年連続でホーム初ゴールを決めてみせた。90分間通してリーグ屈指のタレント軍団に押される展開が続いたが、粘り強い守りで1点を死守した。

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秋田は難攻不落のホームで、自軍の3倍以上となるシュート18本の雨を浴びながらもワンチャンスを仕留めた。前半41分、右サイドのスローインの流れからMF稲葉が競り合い、ヘディングでつなぐ。素早く反応したMF沖野が足を高く上げる相手をものともせず、頭から突っ込んでボールをスペースへ落とした。最後はDF2人の間に走り込んだ茂が、キックフェイントを1回入れてGKをかわし、角度のないところからゴール左隅に流し込んだ。

値千金弾の茂は「素直にうれしかった」とバックスタンドで見守るサポーターに向けて両手を突き上げ、喜びを爆発。「(ホーム)開幕戦で秋田県民の皆さんが注目してると思ったので、勝てて良かった」。昨季はホームで10勝5分け2敗の好成績。この日は雨が降りしきる悪条件も、選手たちはスタンドから送られる力強い手拍子に後押しされ、勝ち点3につなげた。

昨季8位の京都は、過去にJ1湘南ベルマーレを指揮した曹貴裁(チョウ・キジェ)監督が今季から率いるタレント軍団だ。昨季得点王のFWウタカ、攻撃的センターバックのDFバイス、元日本代表FW李忠成らが在籍。秋田はチームとしてボールを握られる時間が長くなることは想定済み。シュートを打たれても体を寄せ、しっかり守ってカウンター、積極的なプレスでボール奪うことを共有。シュート5本に封じられたが、少ないチャンスをものにした。

吉田監督は勝因を「サッカーにかける情熱」とし、劣勢でも体を張り続けたイレブンをたたえた。「ひたむきさを結合して、チーム一体で走り抜くことができました。これからも秋田のために選手たちは戦ってくれると思います」。次戦は4月4日にアウェーで松本と対戦。怖いもの知らずのJ2「1年生」が快進撃を続けていく。【山田愛斗】