コロナ禍のC大阪でレビークルピ監督(68)がアウェー横浜戦の指揮を、開始数時間前に外れる緊急事態が起きた。この日、クラブで3人目となる新型コロナウイルスの陽性者がトップチーム関係者から判明。その濃厚接触疑い者にJリーグの独自基準でブラジル人監督が指定されたため。試合後には濃厚接触者に該当しない結論になるなどドタバタの1日。試合は小菊昭雄コーチ(45)が代行指揮を執り、0-1で横浜に10年ぶりに敗れた。

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コロナ禍のC大阪が指揮官不在で横浜戦に臨むと決まったのは、試合開始数時間前だった。クラブでは5日に選手1人、トップチーム関係者1人が陽性判定を受けたと発表。2人以外は全員陰性だったため、同日にチームは横浜市入り。一夜明けたこの日、遠征先で改めてPCR検査を受け、新たにトップチーム関係者1人の陽性が分かった。

判明した正午を境に緊張度が増した。その陽性者に対し、Jリーグ独自基準で濃厚接触疑い者として関係者2人を特定。うち1人がレビークルピ監督となり、夜の試合にはベンチ入りできなくなった。

指揮官は「この危機を好機にすればいい」と、指揮代行の小菊コーチに託した。結果的に最後の1失点で6試合ぶりの敗戦、横浜には10年ぶりに敗れた。同コーチは「大阪に勝ち点を持って帰ることができなかったのは、私の力のなさ」と話したが、内容はほぼ互角だった。

横浜戦は選手1人を含む陽性者3人ら計5人を除いて臨んだ。だが、実際に前節から先発を外れたのは東京五輪世代のDF瀬古、丸橋、今季5得点のFW大久保といった開幕全8戦に先発してきた超主力で、控えGK松井の代わりに16歳の高校生も入った。小菊コーチは、その理由について「回答を差し控えさせていただく」と明言を避けた。

試合後、保健所の最終見解で指揮官ら2人は「濃厚接触者に該当しない」と分かり、次戦からの指揮に影響しないことになった。最悪の事態は免れたC大阪だが、コロナに振り回され続けた疲労度の濃い1日となった。【横田和幸】