今季も川崎フロンターレを走らせてしまうのか。追いかける1番手の名古屋グランパスが18日の鳥栖戦で1-2で今季初黒星を喫した。

ホームで手痛い負け方だった。サガン鳥栖FW林が前半6分にスローインからのチャンスに頭で決めて先制ゴールを決めた。今季、11戦目で初めて相手に先手を許した。試合開始早々に崩れたリズムは戻せない。前半終了間際にも鳥栖FW酒井に2点目を決められた。結果的にミスから許したこの失点が大きく響いた。

DF中谷は「マッシモ(フィッカデンティ監督)が築いた堅い守備はベースであり続ける。これが自分たちの強み」と言った。昨季はリーグ最少28失点。今季も開幕のアビスパ福岡戦で後半37分にオウンゴールで失点して以降、無失点を継続してきた。連続9試合、823分はJ1リーグの記録となった。その「盾」が前半の45分で打ち破られた試合で課題を露呈した。

指揮官は、終盤に攻撃の要・マテウスを下げて、本来は守備的な木本を投入。その木本を起点に、MF稲垣が反撃の一撃を見舞った。その策がはまっても、時すでに遅し。前半2失点は、得点差以上に名古屋に重くのしかかった。

「守りのチーム」の強さを見せつけてきたが、この日は逆のもろさを露呈した。先手を奪われた流れで、いかにやり返すか。その手がなければ、川崎Fには追いつけない。

名古屋は今オフ、柿谷や斎藤ら攻撃的選手を補強した。打つべき手は把握している。初黒星から、チームをさらに高める第2ステージに突入する。【実藤健一】