J3藤枝MYFC・MF枝村匠馬(34)が、節目の一戦でチームを4戦ぶりの勝利に導く。15日のアウェー鹿児島ユナイテッドFC戦(白波スタ、午後1時)に備え、6日は焼津市内で練習。次戦に出場すれば、Jリーグ通算400試合目(J1で297、J2で77、J3で26)となる。直近の4試合は先発出場。チームは3試合連続ドローだが、「次は勝ちきれるように練習からこだわってやりたい」と決意を口にした。

プロ17年目。派手なプレーはないが、ゲームをつくる技術は衰えていない。ベテランとなり、体のケアにも気を配り、プロテインやサプリメントなどで栄養を補給。「昔みたいなギラギラ感はなくなった」と笑うが、「1日1日充実するようにやっている」と、マイペースで調整する。

負けられない理由も加わった。今月1日にクラブのホームタウンの牧之原市で、住宅など約160棟が突風の被害を受けた。屋根が飛ばされ、窓ガラスが割れた。同市出身の枝村は、心を痛めた。実家や友人らは無事だったというが「大変な思いをしている」と被災した地元を思いやる。

先月8日には、母校の同市立川崎小を訪問。熱烈な歓迎を受け、地元での人気ぶりは絶大だ。自身の活躍が被災地を勇気づける。「今年は、来季昇格を決めることが目標。どのカテゴリーでも上を目指して戦う気持ちに変わりはない」。勝利のために全てを出し切る。【神谷亮磨】

◆枝村匠馬(えだむら・たくま)1986年(昭61)11月16日、牧之原市生まれ。清水ユース出身。J1では2005年から清水、C大阪、名古屋、神戸で計12季プレー。J2では16年清水、18年福岡、19年栃木と移り、昨年からJ3藤枝所属。176センチ、71キロ。