ホンダFC(JFL)が常葉大(東海学生1部)を2-0で下し、6年連続41回目の天皇杯出場を決めた。0-0の後半21分。右クロスにFW児玉怜音(れおん、25)が頭で合わせた。「クロスが来ると予想し、駆け引きでDFの前に入ることができた」。“準備段階”でマークを振りきり、勝負あり。対応に遅れた相手の上からたたき込んだ。

チームは同43分にも追加点を奪い、完封。今大会2点目となる貴重な先制点で勝利を呼び込んだ背番号「9」は、「ホッとしている」と安堵(あんど)の表情。2-1で破った昨年9月の本大会2回戦に続き、同じ浜松市北区都田町に拠点を置く大学チームの挑戦を退けた。

有言実行だった。母の日に行われた一戦。試合前には、鹿児島で活躍を願う母洋子さん(59)と「ゴールをプレゼントする」とLINE(ライン)で約束を交わした。試合後、「ゴール以外も贈ります」と笑った孝行息子。まずは、宣言通りの一撃を届けた。

本大会では、22日の1回戦でJ3岐阜と対する。児玉は「本気で優勝を狙っている。良い準備をしたい」。今季就任した安部裕之監督(41)も「1つでも多くJを倒したい」と、天皇杯初采配に燃える。2019年度にはJ1の札幌や浦和など、Jリーグ勢3連破で8強入りした“アマチュア最強軍団”が、日本一を目指して大舞台に乗り込む。【前田和哉】