12位の秋田が劇的同点劇だ。3位琉球に後半ロスタイム2分に先制されたが、その1分後、今季初出場で昨季はけがに泣いたFW三上陽輔(29)が、移籍後初得点となる起死回生の同点弾。ホームで2戦連続で同ロスタイムに追いついた。

三上が復活ゴールを決めた。「出たら何かしてやろうと準備していた」。0-0の後半27分から途中出場し、同ロスタイム1分に迎えた決定機は枠外。同2分に失点する絶体絶命も、諦めなかった。同3分、GK田中のロングボールをFW才藤、DF谷奥が頭でつなぎ、胸トラップから相手を左手で押さえながら右足シュート。「谷奥が上がっていて、競り勝つだろうと思い、あのポジショニングを取っていた」。豪快にサイドネットへ突き刺した。

J3長野から昨季加入。チームがJ3優勝を飾り、J2昇格を決めた一方、筋肉系のけがを繰り返した。6試合計121分出場0得点で、「何も貢献できなかった中で、チームがいい成績を残し、うれしい気持ちよりも苦しい、悔しい思いの方が強かった」。長野時代の19年10月31日以来583日ぶりに得点を奪った。

スタジアムの選手紹介は「再起をかける重戦車」と大型スクリーンに表示される。「そういう(重戦車のような)プレーを見せているかと言われたら、?マークだが、ゴールシーンをつくれて良かった」。それでも1-1のドローで、「次は勝ちにつながるゴールを決めたい」。貪欲に得点を狙っていく。【山田愛斗】