札幌MF青木亮太(25)がプロ8年目でJ1初ゴールを含む2得点を挙げ、東京との打ち合いを制した。青木は1-2の後半4分に同点弾、同19分に技ありのループ弾を決め、チームは今季2度目の連勝を飾った。14年に流通経大柏高からプロ入り。数多くのケガを乗り越えた苦労人が、北の大地で花を開かせようとしている。

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青木が同点弾、逆転弾の2発でチームを連勝に導いた。ともにDF福森の後方からのフィードが起点。1点目はFW小柏の落としを右足で合わせJ1初得点。2点目はFWジェイが胸で落としたところを、右足で冷静にループシュートを決めた。MFチャナティップの欠場で得た出場機会で「1発回答」の働きぶり。プロ8年目でのJ1初ゴールに「勝利と同時に得点を決められて良かった。これまではカップ戦だけだったので、うれしい気持ちでいっぱいです」と笑みを浮かべた。

青木は東京Vジュニアユース、流通経大柏を経て14年に名古屋に加入した。1年目から4試合出るなど頭角を現していたが、15年3月に左ひざの前十字靱帯(じんたい)損傷などの重傷を負い、長いリハビリ生活を送った。17年に当時J2名古屋の指揮をした風間八宏監督に見いだされ26試合に出場。「止める・蹴る」の基礎技術や相手を外す動き、ゴールへの積極性が磨かれ、11得点を挙げた。18年はJ1の舞台で戦ったが、以降は左ひざや左太もものけがにも泣き、得点に恵まれることはなかった。

J2大宮を経て、今季から札幌に加入した。練習を重ねるにつれ、ペトロビッチ監督が掲げるサッカーを理解し、体現できるようになった。この日の2得点も「札幌の形」と胸を張る。「最初来たときより札幌の形はやれるようになってきた。自分たちのサッカーを練習からこれからもやって連勝できるようにやってきたい」。けがに泣いた苦労人が札幌を連勝街道に導く。【岩田千代巳】

◆青木亮太(あおき・りょうた)1996年(平8)3月6日生まれ、東京都出身。東京Vジュニアユース-流通経大柏高-名古屋-大宮-名古屋を経て今季から札幌へ加入。J1通算40試合2得点。174センチ、68キロ。MF。