J2アルビレックス新潟はFW鈴木孝司(32)が今季5得点目を奪い、リーグ終盤戦へ反撃ののろしを上げる。勝ち点51の3位新潟と、J1昇格圏内の2位京都との勝ち点差は「10」。逆転昇格へは、ここからの残り13試合は負けられない戦いが続く。ゴール前での落ち着きと、ポストプレーでチャンスを広げる鈴木は一戦必勝を掲げ、19日のアウェー東京V戦に向けて準備を進める。

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コウジが出番を待つ。19日の東京V戦に向け、チームは危機感と緊張感を持って準備を進めている。最近の練習で存在感を増しているのはベテランの鈴木だ。攻撃練習では次々とゴールネットを揺らし、8月14日千葉戦以来のスタメン出場へ向けてアピールを続けている。「シュートの場面で迷いが消えているし、感覚は悪くない。出たら(ゴールを)取りたい」と意気込む。

今季、J1のC大阪から加入すると開幕戦から5試合で4得点。1トップの定位置をつかみ、得意のポストプレーやスペースを生み出す動きでも攻撃を活性化させ、チームの開幕ダッシュに貢献した。だが、度重なる負傷やFW谷口海斗(26)の台頭で先発出場は徐々に減り、得点は第5節・東京V戦(3月27日)でストップしている。最近は途中出場が続き、前節11日の山形戦は後半ロスタイムからの出場だっただけに「正直、もっとプレー時間が欲しいが、限られた中で結果を残すしかない」と強い決意を言葉に込める。

チームは直近5試合(1勝2分け2敗)で計56本のシュートを放ちながらも3得点と決定力を欠く。単調なクロスが増え、リーグ序盤戦で見せたコンビネーションからの崩しは影を潜めている。「得点したいし、90分通してやれば中盤の選手に前を向いてプレーさせることができると思う。起点となってチームを勝たせたい」とストライカーとしての本音を隠さなかった。【小林忠】

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