名古屋グランパスが看板の「堅守」で初優勝を飾った。無失点に貢献のDF木本恭生(28)が手記を寄せた。4年前にセレッソ大阪の初優勝で活躍し、名古屋移籍1年目にその古巣を下して戴冠した。

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C大阪と決勝を戦えたのは心からうれしかった。プロとしてスタートを切り、昨季まで在籍した自分の原点。その古巣を相手に戦い、名古屋がルヴァン杯初優勝。とても感慨深いです。

4年前は試合を楽しむ余裕がなかった。(準決勝のG大阪戦ロスタイムで決勝弾を決めるなど優勝に貢献し)ルヴァン杯が得意とは思わないが、縁はあるのかなと思う。あの時があったから今の自分がある。

環境を変えてサッカーをしたい思いが強く、以前から(C大阪の)クラブとは移籍の話をしていた。単純にあこがれていた。実際に移籍して大変なことはたくさんありましたけど、移籍しないと分からないこともたくさんあります。

名古屋に来て最も違いを感じたのが練習の雰囲気です。名古屋は黙々とトレーニングする。C大阪もしっかり練習していましたが、下部組織から上がってきた選手も多く、和気あいあいとした空気もあったが名古屋はただ、黙々とやる。その点では対照的。とにかく走り、強度も高い。チームのために走り、体を張る。練習での下地があるから試合で失点が少ないと、加わってすぐに理解しました。

自分は対人プレーの強さを求められている。長く走れる持久力であり、当たりを強くするための肉体。これまで個人トレーナーをつけたりなどの意識は低かった。今はチームの中にそういう選手が多いので、よく話を聞いています。ACLで負けた(準々決勝で敗退)後は、チームの空気も落ちていた。ただ(フィッカデンティ)監督は「まだタイトルのチャンスはある」と。その言葉を全員が信じた結果です。(名古屋DF)