東福岡が飯塚を延長の末に2-1で破って、2年連続22度目の優勝を飾った。飯塚には、高校総体福岡予選準決勝で敗れていたが、リベンジを果たした形。後半途中から出場のMF大渕来珠(らいじゅ、3年)が1-1の延長前半6分、相手のクリアミスのボールを奪い、2戦連続決勝点。先制しながら追いつかれる激闘に競り勝ち、15年度以来6大会ぶり4度目となる全国制覇への挑戦権を得た。

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東福岡MF大渕が右サイドハーフで2戦連続の決勝ゴール。チームを優勝に導いた。

1-1の延長前半6分、相手がクリアミスしたボールを拾い、自信を持つ左足でシュート。ゴール右に決勝点を突き刺した。

8月に右太ももを肉離れし、万全ではなかったという中での値千金弾。後半35分から途中出場し「インターハイ予選で負けた飯塚にリベンジしたかった。まずはゴールと思い、シュートを打っていく意識でピッチに入った」。1アシスト&決勝点で貢献した準決勝に続く活躍だった。

大渕にとって、“最初で最後”の全国選手権。夢へかける思い、気迫が違った。小3から中2までJ1鳥栖の下部組織で育ち、高1から2年間、大阪・興国高に通いながらC大阪ユースに在籍した。それでも、憧れた全国大会への夢が忘れられず、今春に東福岡へ転入した。

「両足のシュートやドリブル突破、クロスからのチャンスメークがストロング」と言い、鳥栖ではセンターFW、C大阪ではトップ下や両サイドハーフを務めた攻撃センスを発揮した。

初の全国舞台での目標は大きく「15ゴールで得点王になりたい」。1大会最多10得点の日本代FW大迫勇也(当時鹿児島城西3年)超えと、6大会ぶりの優勝を目指す。【菊川光一】

◆大渕来珠(おおぶち・らいじゅ)2003年(平15)7月21日、福岡県大川市生まれ。サッカーは宮前小3から鳥栖の下部組織で始める。高1からC大阪ユースも今年3月に東福岡転入。目標はポルトガル代表FWクリスティアノ・ロナウド、ベルギー代表FWアザール。167センチ、59キロ。