セレッソ大阪は19日、元日本代表FW大久保嘉人(39)が今季限りで現役を引退すると発表した。

大久保がC大阪へ入団した2年目の02年から2年間、当時監督として指導した西村昭宏氏(63=現JFL高知ユナイテッドSC監督)が、教え子だった大久保への思いを語った。

「02年はワールドカップ(W杯)日韓大会があり、C大阪からは(MF)森島寛晃、(FW)西沢明訓、韓国代表の(MF)尹晶煥(ユン・ジョンファン)が代表活動で、クラブを抜ける時間が長かった。そこで高卒2年目の大久保が活躍してくれ、エースに育ってくれた。彼のような選手と出会えたことは、監督しての私の財産になりました。本当に長い間、お疲れさまでした」

大久保はJ2に降格した02年、29試合18得点の大活躍で、C大阪を1年でJ1復帰に導いた。国見高時代もユース代表監督として大久保を指導していた西村氏は、まさに成長著しい時代を見守ってきた。

今年10月17日、大阪市内で公開されたC大阪の練習。西村氏はたまたま大阪に出張に来ており、練習後の大久保と話す機会があった。JFL高知はアマチュア選手の集まりで、環境が恵まれているとはいえない。そんな話をすると、大久保は後日、自らのスパイクを高知に贈ってくれたという。

おとこ気あふれ、常に仲間のことを思いやる性格。あれから20年近くがたっても、恩師と教え子の温かい関係は続いていた。