新生サンフレッチェ広島の若きリーダー、DF荒木隼人(25)が7年ぶりのタイトル獲得を誓った。30年目のJリーグを迎える今季、広島はドイツ人のミヒャエル・スキッベ新監督(56)を迎え、15年以来7年ぶり4度目のJ1優勝を目指す。最終ラインでチームを支える荒木は、6年連続無冠からの脱出を約束。日本代表定着も狙い、飛躍のシーズンにする。【取材・構成=横田和幸】

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ドイツ代表コーチやギリシャ代表監督を歴任したスキッべ新監督は、母国ドイツで育成部門や各年代の指導経験が多く、育成型クラブの広島に合った指導者といえる。同監督は実際、昨年12月の就任会見で「若い選手を成長させるクラブの考えに共感した」と就任理由を説明。「全員攻撃全員守備をやっていく」。アグレッシブなサッカーを目指すことを宣言した。

「日本サッカーの父」と称され、64年東京五輪などの日本代表の強化に携わったデットマール・クラマー氏もドイツ人。当時の長沼健監督を筆頭に、小城得達ら広島出身の選手も多く、クラマー氏の日本語は広島弁交じりだったという。

仙田信吾社長(66)は新監督が来日すれば、広島弁を操るほど「地元になじんでくれるのでは」と期待。クラブ初のドイツ人監督は「広島の歴史に名を残せるような、素晴らしいチームを作り上げたい」と意気込んでいる。

◆ミヒャエル・スキッベ 1965年8月4日、ドイツ生まれ。FWだった現役時代は膝のけがでシャルケの3年間だけで引退。古巣シャルケの育成部門で指導者生活を始め、00~04年にドイツ代表コーチ、15~18年はギリシャ代表監督に。21年はアルアイン(サウジアラビア)で監督を務めた。