鹿島アントラーズがFW上田綺世、鈴木優磨の2トップの得点でガンバ大阪に快勝し、6年ぶりに開幕白星を手にした。

今季から指揮を執るスイス人のバイラー監督が入国制限で来日できない中、クラブOBの岩政大樹コーチが監督代行を務め勝ち点3のミッションを完遂した。

今季からコーチに就任し、いきなり“監督代行”の大役を任された岩政コーチは、試合後「これでやっと寝られる」と何度も口にし「自分の想像を超えるプレッシャーだった」と本音を明かした。

狙い通りの3得点だった。前半20分、上田がMFピトゥカの縦パスに抜け出し、右足を振り抜き先制。前半26分に失点も、前半30分には後ろからつなごうとするG大阪・片野坂監督のスタイルの穴を突き、自陣でボールを動かすG大阪の守備陣に猛烈なプレスを掛け、ペナルティーエリア内でボールを奪って鈴木が得点。

さらに、相手が退場者を出し、4-3-2とシステム変更をしたことで、岩政コーチも「自分の中でも絵が見えた」と、4-4-2から4-2-3-1に変更し、中央突破からダメ押し点を奪った。選手交代をすべて使い切り、岩政コーチの色を存分に出し、勝ち点3を積み上げた。

岩政コーチは「選手たちが素晴らしい戦いをしてくれたことがすべて。個々に託したタスクを一生懸命、戦ってくれた。加えてチーム全体で戦う意識が見られてかっこいい選手たちだった」と総括。攻撃陣が何度も背後に抜け出し、鹿島の伝統の速いプレスと球際を含め、攻守でアグレッシブに戦い「監督が描いているサッカーは表現できたかと」と手ごたえを口にした。

試合前は「連勝でバイラー監督にバトンを渡す」と宣言。まず初戦を勝利で終え「試合が終わって、うれしいほっとした、安堵(あんど)…。今日は寝られるなと言うことばかり」と苦笑した。「選手たちがこの新米コーチのために勝利をという気持ちを持ってくれているように感じた。感謝しています」と顔をほころばせた。