元日本代表FWの武田修宏氏(54)が26日、JFL鈴鹿ポイントゲッターズのJ3昇格に期待した。武田氏は22日からチームの合宿に特別コーチとして参加。最終日のこの日「チームはいい雰囲気。よくなったと思う」と、真剣に話した。

合宿では四半世紀前のヴェルディ川崎(現東京V)時代にコンビを組んだFWカズ(55)のトレーニングパートナーを務め、Jリーグ通算94得点のストライカーとして若手に得点の極意を伝授。ゴール前のポジショニングなど教えた。「カズさんとできたし、若手の指導は楽しかった」と話した。

きっかけは三浦泰年監督(56)からの依頼。静岡県選抜などで高校時代から世話になる先輩の頼みとあって「断れませんよね」。JFLクラブは資金的に余裕がないことは分かっていたため「自腹です」と笑った。

東京から自らハンドルを握って6時間。新型コロナ禍でホテルから出ることも自粛して選手たちに向かって、カズが「欲しいものあったら、タケ(武田)に頼め」と言ったため「コンビニへの買い出しもしました」。

そんな武田氏の存在が大きかったのも事実。三浦監督やカズと選手の間で「架け橋」になり、チームワークを熟成させる手助けもした。「ヤスさんやカズさんには、みんな話しにくいけど、僕が間に入ると、うまくいった」と胸を張った。

最近はタレントとしての活躍も多い武田氏。若い選手は抜群の嗅覚で得点を量産していたころは知らないが「みんなYouTubeで見て知っていた」と満足そう。ゴール前のポジショニングなど聞いてくる選手もいたという。この日のFC岐阜SECONDとの練習試合では、FW栗田マークアジェイ(23)がゴール。「教えた通りに点を取った」と喜んだ。

「J3に上がれるように祈っています」と言いながら「また何かあったら手伝いにきます」と武田氏。合宿打ち上げ後、最後の「仕事」として誕生パーティーのカズに55本の花束を渡し、東京へと戻っていった。