鹿島アントラーズがパリ五輪世代のMF荒木遼太郎(20)の1発で柏レイソルに競り勝った。チームは今季、プレシーズンマッチを含めホームで3連敗中だったが、背番号10を背負う荒木が、途中出場ながら、今季ホーム1号&初勝利を引き寄せた。

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19歳の昨季、94年の城彰二以来となる10代シーズン10得点をマークし、1月に“飛び級”でA代表の候補合宿に呼ばれた期待の星が、チームを上昇気流に乗せた。

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20歳の若武者が、ピッチに入ってわずか9分でチームに勝利を呼び込んだ。後半11分、MF土居に代わりピッチに入ると、後半20分。ペナルティーアーク付近でボールを受けると、狭いスペースで相手をかわし右足を振り抜いた。ボールは相手DFに当たり、GKの逆を突くゴールとなった。荒木は「監督から点を決めてこいと言われていた。当たってもいいので振り切ってやろうと打った」と振り返った。

今季はクラブ初の欧州出身の指揮官が就任。レネ・バイラー監督は新型コロナウイルスの防疫対策で、まだ入国できていないが、監督代行を務める岩政大樹コーチが「自分たちで新しい鹿島の時代をつくろう」とキャンプから指揮を執ってきた。だが、2月のJ2水戸とのプレシーズンマッチ、川崎F戦、ルヴァン杯・C大阪戦とホームで無得点で3連敗。失点に絡むミスをしたDF関川、キム・ミンテは自信を失いかけていた。そんな中でチームを救う貴重な1得点。荒木は「チームもいい雰囲気に持っていけず、苦しい状況だった。この試合にかける思いは強かった。みんなで守りきって勝てたのは意味がある」と話した。

背番号は自ら志願した。中学、東福岡高でも背負い、なじみがある。「エースストライカー」の自覚も強く、今季は10得点10アシストを目標に掲げる。パリ五輪世代だが、1月にA代表の候補合宿に選出。常に「目に見える結果」にこだわる若きエースが、今季も鹿島で暴れそうだ。【岩田千代巳】

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