下部組織の「静岡ダービー」は、ジュビロ磐田U-18に軍配が上がった。ホームで清水エスパルスユースに2-1。同点で迎えた後半ロスタイムにDF李京樹(り・きょんす、2年)が決勝点。劇的な逆転勝利で開幕2連勝を飾った。

最後にドラマが待っていた。ロスタイムは4分。引き分けムードも漂ったが、あきらめなかった。磐田U-18は右サイドを崩すと、味方とのパス交換で李がエリア内に進入。右足で放ったシュートが逆サイドに吸い込まれた。勝利の立役者は「クロスか迷ったけれど、打ったら入っちゃいました」。決めた本人も驚いた意表を突く1発で、ライバルを沈めた。

今季から指揮を執る前田遼一監督(40)も「チーム一丸で戦ってくれた結果」と手放しでたたえた。クラブOBの同監督にとっても、清水は特別な相手。現役時代にJリーグ初ゴールを挙げたのも清水戦だった。「気持ちの部分では絶対に負けてほしくなかった」。ダービーに懸ける思いを選手にも伝えながら、準備を進めてきた。

次戦は昨季2戦未勝利(1分け1敗)の名古屋U-18が相手だが、李は「勝ち続けていきたい」と力を込めた。開幕戦で昨季WEST王者の広島ユースを下し、宿敵清水ユースも撃破。勢いはさらに加速した。【神谷亮磨】