湘南ベルマーレがガンバ大阪を1-0で下し、リーグ戦9試合目にして初勝利を手にした。

試合終了間際にDF山本脩斗(36)が執念のヘディングゴールを決めた。チームはこの1点を守り切り、勝ち点3を獲得。ヴィッセル神戸を抜き、最下位を脱出した。この日が誕生日となる山口智監督は「みんなで勝ち取った勝利」。節目を祝う記念すべき勝利に、選手たちの頑張りをたたえた。

ベテランの執念のゴールが、湘南に劇的な初勝利をもたらした。後半45分、右サイドをオーバーラップした石原広教(23)からのクロスに、DF山本が飛び込んだ。G大阪DF三浦弦太と接触しながらも頭で合わせ、ボールはゴール左に吸い込まれた。ゴール後には起き上がれずよもやの途中交代となったが、決死のプレーが実を結んだ。

鹿島アントラーズ時代にはJリーグ、天皇杯など数多くのタイトル獲得に貢献し、昨季から湘南に完全移籍。頼れる36歳は今季開幕戦を含む7試合で先発するなどチームに欠かせない存在だ。指揮官の信頼も厚く、山口監督は「(山本は)本当に執念でこじ開けた。すばらしかったですし、さすがです。ああいう選手がいてくれて良かった」とたたえた。

前節までクラブワーストとなる8戦勝利なし。迎えたこの日は持ち味のハイプレスではなく、G大阪に攻撃のスペースを与えない巧みな試合運びを展開。結果を出すために自らのスタイルにこだわることなく、相手に合わせる柔軟さも見せた。

現役時代に長年プレーし、引退後にはコーチを務めるなどなじみ深いG大阪を相手に、今季初勝利を手にした山口監督。自身はこの日44歳となる誕生日を迎え、試合後には選手からも水をかけられるなど手荒い祝福を受けた。

DF大岩一貴(32)は「(今日は)智さんの誕生日だったんで。遅くなりましたけど、勝利を届けることができて良かったです」。山口監督は「チームにとって大きな勝ち点となった。これでまた1歩踏み出せる」と声を弾ませた。